まさに暴落と言っていい状況です。
ちょっと前までは、株式を持っていない人は「自分には関係ない」とばかりに知らん顔を決め込んでいましたが、株式の暴落からはじまった信用収縮という金融システムの破綻により、銀行の貸し渋り→企業倒産→失業→不況のスパイラルが働きはじめる段階になってきました。
暴落と言えば1929年10月24日、木曜日のニューヨーク証券取引所での大暴落から始まった世界不況です。(その後は、1987年10月19日、月曜日の「ブラックマンデー」があった)
G・トマス/M・モーガン=ウイッツ著、常盤新平訳の「ウォール街の崩壊」(原題:The Day the Bubble Brust(バブルがはじけた日))(上下、講談社学術文庫)に、当時の有名人を狂言回しにして、暴落に至る過程が生々しく書かれています。
この当時は、株式の売買は電話を使うしかなく、また株価もティッカーと呼ばれる専用の機械から打ち出される株価を人がボードに書き写すと言う方法でしか知らせる手段はありませんでした。
暴落となると、人々は争って持ち株を売ろうと電話に殺到し、一方で最新の株価の情報はつねに後手後手になるので、不安が不安を呼んで大きなパニックを読んだのではないかと僕は思っています。
つまり、情報伝達の滞りによる疑心暗鬼が暴落のひとつの要因ではなかったかと思います。
今回の暴落局面では、多くの市場参加者は株価を瞬時に、また同時に知ることができたので、情報が入ってこないことの不安は殆んどなかったと思います。
各国の中央銀行も欧州においては必ずしも迅速とはいいがたいものの、比較的速やかに金融対策を打ち出しています。
ちなみに、1929年当時は、米国フーバー大統領が「市場は健全だ」とお題目のように唱えるだけで、なんら有効な手段をとることはできませんでした。
われわれ人類は、過去の経験から何も学ばないバカな生き物ではなくて、1929年の経験がいまに生きていると思います。
少なくとも経済理論においては1929年の暴落から学習し、かつ進歩ており、今回の対策に生かされています。
各国の株式市場も、そろそろ「セリング・マックス」の段階に達してきていると感じています。


